- ■カナイスト114号
ナレーター - 1951年、山梨県生まれ。高校卒業後、大手情報通信企業の技術職を経て、ナレーターへ転身。以降、テレビ、ラジオなどの各媒体でドキュメンタリー、情報バラエティ、CMなどあらゆるジャンルをこなす。明確でわかりやすい口調、過剰に主張しすぎない語り口、抜群の安定感に定評がある。『情熱大陸』や『F1』のナレーションで広く知られ、現在日本で最も仕事の依頼が多いと言われているナレーター。
昨年、ある一般人が書くFacebookのフォロワーが6000人を越え、全国トップランクとなって話題となった。浪江町役場に勤務する玉川啓(たまがわあきら)さんのものだ。著名人ではないのに上位に入るのは極めて異例のことだ。
福島第1原発事故で、最も多くの人口が避難せざるをえなくなった浪江町。その役場の志ある仲間たちとともに、寸暇を惜しみ町の再建に携わっている玉川さん。現場からの噓偽りないメッセージが、Facebook上で日本中の人々の気持ちをつかんだのだった。
あの3.11から2年。いまも住民のために東奔西走し続ける玉川さんは、今回の取材で「子どもたちに未来を」というフレーズを夢として掲げた。その言葉に込められた強い想いとは…。
震災前、福島県庁より浪江町役場に出向。住民協働のまちづくりに取り組む中で、東日本大震災に直面する。福島第一原発の事故で避難を迫られた浪江町において、避難から現在に至るまで町の再建に携わる。2012年4月に第一原発に立ち入りして、誠実な言葉で綴った現場リポートをFacebookで発信すると、『いいね!』が5万3千人超、シェアが1万5千人超と、驚異的な数字となり反響を呼んだ。また志ある職員とともに、約1700件もの子どもたちの想いを直筆のまま『なみえの子どもたちの想い』という冊子に編纂。町民と行政のつなぎ役、浪江町と他の支援者のつなぎ役として約100名の町民とともに復興計画の策定に取り組んでいる。